ドクターより
「歯っとする話」をお届けします。
お口は生まれた時から敏感です。
生まれたばかりの赤ちゃんの栄養は、お母さんのおっぱいですが、赤ちゃんは、原始反射といって、生まれた時からおっぱいを吸う力を身につけています。
たとえば、赤ちゃんの頬を指で触ると、そちらに顔を向けて口でおっぱいを探します。
唇が乳首に触れると吸い付こうとします。
口は、生まれつきとても敏感なのです。
歯もいろいろなことを感じます。
歯の噛んだ衝撃は、あごの骨と歯の間にある歯根膜という薄い膜が受けます。
歯根膜は弾力性があるので、歯の受ける衝撃を吸収して噛みごたえをあごの骨に伝えます。
また、歯根膜の感覚は繊細で、髪の毛一本のわずかな細さでも感知します。
食べ物を噛むと歯や舌でかたさや形、味などを感じます。
おいしさを味わいながら、前歯でくだいた食べ物を奥歯ですりつぶし、だんだん小さくして唾液と混ざり適当な大きさ、柔らかさになったら飲み込みます。
歯や口全体は無意識にこのような重要なセンサーの役割をしています。
一本でも欠けたり、虫歯になると、センサーの働きがにぶくなって噛む力が落ち、おいしく食べられなくなります。
からだ全体の健康にも影響しますので、歯を大切に守りましょう。