歯っとする話をお届けします。
酸蝕歯(さんしょくし)とは
虫歯、歯周病に次ぐ、第3の歯科疾患が増えている。
歯が溶けてボロボロになる「酸蝕歯」(さんしょくし)だ。
国内罹患者は成人の約6人に1人。
しかも、健康志向の高い人ほど多く見られるというから気になるところだ。
- 朝晩、黒酢を飲んでいる
- 毎日の運動時はスポーツ飲料で頻繁な水分摂取を怠らない
- グレープフルーツやレモンなど柑橘類を毎日食べる
- 仕事中に栄養ドリンクを飲むのが日課
どれも健康を気づかう生活習慣だが、逆に酸蝕歯になりやすいリスクをはらんでいる。
酸蝕歯は、昔はメッキ工場など酸性ガスの吸引で起こる職業病だったが、現在主な原因は過剰な酸性飲食物の摂取。
罹患者増加の背景は、日常的に口にする飲食物の変化と考えています。
市販飲料の7割該当
酸性飲食物といっても単に味覚で“酸っぱいもの”とはかぎらない。
歯への接触が長期習慣になると歯のエナメル質が溶け出すpH(ペーハー)値は5.5以下となる。
とくに市販飲料には下回る商品が多く、炭酸飲料・スポーツ飲料をはじめ酒類、野菜・果物ジュースなどが挙げられる。
実際、市販飲料120種のpH値を測定したところ73%が下回っていました。
普段、多くの人が歯を溶かす飲食物を知らずに毎日摂取しているのです。
酸蝕歯が厄介なのは気づきにくいことだ。
初期症状の特徴は
「歯の先端が透明になる、冷たい物で歯がしみる、歯の表面の白濁、歯が丸みをおびてくる」
などがある。
さらに進行すると歯のヒビ割れやクレーターができて、虫歯や歯周病の併発だけでなく、神経を抜いたり、歯の根まで割れた場合には抜歯に至ることもある。
対策は飲食後のケア
だからといって、身の回りにあふれる酸性飲食物を避けていたらキリがなく、健康的にも良くない。
重要なのは摂取後の口腔内のケアだ。
欧米、オーストラリア、韓国などでは水道水にフッ素を入れて歯質強化対策を行っている。
日本の水道水には含まれていないので、これからより口腔ケアが大切になってくる。
人は口の中が酸性に傾くと唾液によって中和してバランスを取り戻している。
唾液の減る運動直後や口が渇くドライマウスの人は、酸性の強い飲料を頻繁に摂る習慣は要注意。
酸性が強い飲食物を摂った直後は、すぐ歯磨きするのも控えよう。
ドリンクを多用する健康志向の人は、酢やビタミンCなど酸を含んだ飲料を毎日飲む習慣を続けるなら、摂取後に口をすすぐように水やお茶を飲むことを忘れずに・・・。
「酸蝕歯」を防ぐ口腔ケアのポイント
- 酸っぱいものを食べたり、飲んだりしたら、30分は歯磨きを控える
- クチが渇いているときは、酸性の飲み物は避ける
(スポーツ飲料などを頻繁に飲むならストローを使う) - 酸性の飲食物を口にした後は、すぐに水やお茶を飲む
- 赤ちゃんに哺乳瓶でジュースを飲む習慣をつけない
- 歯磨きには、低研磨性のフッ素入り歯磨き剤を使うのがいい
- フッ素配合ガムを噛む
【出典】ZakZakより